FACTORY GIRLS~私が描く物語~ 観劇レビュー

ソニンさんと柚希礼音さんダブル主演のミュージカル
「 FACTORY GIRLS~私が描く物語~ 」を観てきたので
感想を書こうと思います。

ロック・ミュージカルと聞いてましたが、ロックな曲調ではなかったように思います。

明るいばかりじゃないですけど、全体的にはポップな印象でした。

ミュージカルを観に行くと、男性より女優さんの方に目が行っちゃう私なんですけど、こんなに女性ばっかりの作品も珍しいなって思っちゃいましたw

ファクトリー・ガールズのあらすじ

19世紀半ばのアメリカ・ローウェル。そこは多くの人々の夢と野望が渦巻く街だった。
産業革命により大規模な紡績工場が誕生し、ローウェルには多くの先進的な女性達が集まり、ファクトリー・ガールズとして働いていた。ガールズたちの寄稿集「ローウェル・オファリング」は自由を夢見る女性たちにとって憧れであった。
サラ・バグリーもそんな一人。彼女は貧しい家族を助ける為、そして自らの自由を得る為に故郷を旅立ってローウェルにやってくる。
しかし、ローウェルの工場で彼女が目にしたものは、轟音をあげる織機、理不尽な抑圧、そして機械のように働くガールズ。衝撃を受けるサラだったが、ラーコム夫人の管理する寮で、心優しいアビゲイルやラーコム夫人の娘ルーシーを始めとする仲間たちに出会い、人生を謳歌するマーシャの華やかな生き方などにも刺激を受ける。
そして中でも「ローウェル・オファリング」編集者として女工たちの憧れの存在であったハリエット・ファーリーとの出会いによって、彼女は文章を書くことに新たな自分を発見し、ハリエットもまたサラの文才を認め、二人はいつしか深い友情で結ばれていく。
しかし、工場のオーナーであるアボットは、競合の出現によって業績の落ちてきた自分の工場を立て直すべく、労働時間の延長を図る。それは、ガールズたちにとっては生命に関わる労働環境の悪化を意味するものだった。
ファクトリー・ガールズ達が動揺に包まれるなか、新しい労働新聞「ボイス・オブ・インダストリー」のライターのシェイマスとの出会いによって、自分の文章を武器に労働争議へと身を投じる事を決意するサラ。
一方で、「ローウェル・オファリング」の発行人であるマサチューセッツ州議会議員のスクーラーと甥のベンジャミンは、ハリエットを編集長に抜擢し、ローウェルの工場の投資家集めのためのシンボルにする。幼い時に両親を亡くしてからの居場所である工場と仲間を彼女のやり方で守ろうと奔走するハリエット。
いつしか2人の生き方はすれ違い、ローウェルをゆるがす事態に発展する中で、悲劇が起こる。
様々な思惑が渦巻く中、自分の信念に生きようとするサラとハリエット、そしてファクトリー・ガールズたちが闘いの末に辿り着く未来とは…

http://musical-fg.com/

日米合作、「世界初演」の意味

ファクトリー・ガールズは「世界初演」と銘打たれてます。
作られた行程がちょっと、変わってるみたいですね。

コチラの記事に詳しく書かれてました↓

アメリカで作られた楽曲とプロットを使って、日本の演出家さんが脚本を作り演出する。たしかに、聞いたことない方式ですね~。

演出の板垣さんは、「フランケンシュタイン」や「 In This House〜最後の夜、最初の朝〜 」などの演出をされています。

私の好きなテイストの作品を多く手がけてらっしゃるので、期待して観に行きました!

ソニンさんが上手すぎる

観てきて、一番強く思うのは「ソニンさん、うまい!!」でした。

芝居も歌も本当にうまいです。

もっとも、出てくるガールズがひとり残らず歌うまさんなんですけどね。
耳がしあわせ♡

ソニンさんには珍しい、抑えた演技がすごく響きました。

ソニンさんが演じるハリエットは、思慮深く、綿密な計算と先読みの上で、よりよい未来のためにはどうするのが最良か、を常に考えている女性。

そして周囲の男性からの女性蔑視やセクハラもかわし、耐えている。

それだけに、ラスト近くに爆発する姿は迫力。

こういう女性って、今もいますよね。数は少ないけれど。

クレバーで冷静沈着、”今”の感情でなく、”時流”を考慮した行動ができる人は、尊敬するしなんかシビれます。

自分自身は直球型だし、あまり思慮深いほうでないので、トラブルに発展すると分かっていても怒っちゃったりします。いけませんね^^;

柚希礼音さん演じるサラも、どっちかというと私タイプみたい。

最初は匿名で、その文才を活かして会社の横暴と不誠実さを糾弾しているけど、
だんだん「こんなんじゃラチがあかない!!」と声をあげていく。

その結果、よけいツラい目に遭うんですけど、それがわかっていても黙っていられない。

そんなまっすぐなサラに、柚希さんハマってらっしゃいました。

人を引っ張っていくチカラが見える柚希さんのサラ

柚希礼音さんの出演作を観るのは3回目かな?

宝塚時代の作品は観ていないのですが、私にはボーイッシュだけど女らしい方、という印象なんですよね。

田舎から出てきて、システマチックな工場に驚いたり、おかしいと思うことを口に出さずにいられないサラ。

あることをキッカケに、もう黙っていられない!と闘いに身を投じてからのリーダーシップ・カリスマ性はさすが~という感じでした。

女工哀史はよくあるけど、珍しいパワフルさ

この作品で描かれている時代って、女性が初めて社会進出したというか、
「自分で働いてお金を稼げた」時代なんですよね。

産業革命以降、急成長した紡績工場では、世界中でたくさんの女性が働きました。

しかしその環境は劣悪で、身体を壊したり逃げ出したりした女性も多かったと聞きます。

日本でも女工哀史的な作品はたくさんありますよね、映画とかで。

だから、ファクトリー・ガールズに出てくる女の子たちのパワフルさには圧倒されます。

実際、精神的にも肉体的にも強くなければ、劣悪な環境の中で生き伸びられなかったでしょうしね。

実際にあった話だからこその結末?

ラストはちょっと、拍子抜けな感じでした。

結局、理想的な結果にはならなかったけど、その後の環境改善のための大きな一歩でした、ってことなのかな・・・って。

あと、難点ってほどでもないんですけど、群舞がすごいのに衣装が重めなので(時代的に仕方ないですけど)、ダイナミックさが伝わってこないんですよね。

それが残念でした。

あと、長い(笑)1幕が特に・・・15分くらいずつ削れるんじゃないだろうか、って思っちゃいました。

1800年代のお話だけど、労働環境とか社会からの女性への蔑視、偏見とか、そういった問題は現代も同じだなって感じました。

たいせつなのは諦めたり、理不尽をそのまま受け入れたりせずに声をあげることなんですよね。

なかなかチャレンジングな作品で、良かったです。